はじめに
みなさん、「恐怖指数(VIX指数)」はご存知ですか?名前だけ見れば不吉な感じがしますが、投資家にとっては、とてもとても重要な「株式市場の心理状態」を示す指標です。この記事では、恐怖指数の仕組み、株価との関係、活用方法について解説します。
恐怖指数(VIX)とは?
「VIX指数(Volatility Index)」は、米国シカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出している「市場の不安度」を示す指標です。別名「恐怖指数」と呼ばれており、この指数が上昇すればするほど、投資家の株式市場への不安が高まり、株価が下落する傾向にあるからです。
- 恐怖指数が低い=市場には安心感があり、投資家は楽観的な状態
- 例えば、様々な企業の決算が好調、失業率が低下、GDPが堅調など、米国経済が良好である証拠がたくさんあると低くなります
- 恐怖指数が高い=市場には不安感があり、投資家はリスク回避
- 例えば、企業業績悪化、大統領選挙が近いなど将来に不透明感があればあるほど上がります。コロナショック(パンデミック)やリーマンショック(銀行破綻)の時は跳ね上がります。
VIX指数の目安
一般的に次のような水準で投資家心理を読み取ることが出来ます。
- 10〜15:安定した相場(ただし、過度な安心感には注意)
- 20前後:通常の変動範囲
- 30以上:市場に大きな不安、株価が急落するような局面が現れる可能性
- 50以上:リーマンショックやコロナショックのような金融危機レベル
2020年3月のコロナショック時、恐怖指数は一時80近くまで急上昇しました。これは将来が見通せず、投資家たちが極端に不安を感じていたことを意味します。
恐怖指数と株価の関係
恐怖指数は株価と「逆相関」の関係を持つことが多いことが知られています。
- 恐怖指数が上がる=株価が下がる
- 恐怖指数が下がる=株価が上がる
ただし、必ずしも完璧な逆相関ではなく、短期的には同じ方向に動くことも十分にあります。しかし、大きな下落局面では、ほぼ確実に恐怖指数が急上昇します。
恐怖指数の活用方法
では、恐怖指数をどのように活用することが良いでしょうか。いくつかポイントをご紹介します。
株式相場全体の「温度計」として見る
恐怖指数は、「株式市場全体の不安度」を示す指標です。株価が下がってきた時、市場全体の投資家心理はどのようになっているかチェックすると役立つことがあるかもしれません。
買い時・売り時の参考にする
- 恐怖指数が極端に低い時:投資家が安心しきっているサイン=調整が近いサインになりうる
- 恐怖指数が急上昇した時:投資家が悲観して売りすぎている=長期投資にとっては買いサイン
暴落時の冷静さを保つ
恐怖指数が急上昇しているときは、株式市場全体がパニック状態にあることを意味します。こういう時につられて売りに走ると、安値で売って損失を被る場合がほとんどです。恐怖指数を見ることで、「今は異常事態である」ことを認識でき、自分を落ち着かせる効果もあります。
まとめ
- 恐怖指数とは、株式市場の不安度を示す指標である
- 20前後が通常、30以上は注意、50以上は危険レベル
- 株価とは逆相関になりやすい
- 「相場の温度計」として活用し、自身の今後の行動を決める一助に出来る
免責事項
本記事は投資に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。投資は自己責任で行うようお願いいたします。
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