この記事を書いた人|ひざき
米国株をメインに資産運用中。AIと一緒に自動売買システムを自作し、ペーパー口座での売買実績を毎週そのまま公開しています。自分の資産額も毎週公開中。専門家ではなく、いま実際に手を動かしている個人投資家の目線で書いています。→ プロフィール
1年前は7ドル台だった株価が、いまや1ドル割れ——。そんな急落劇の渦中にある電池株が、今回取り上げるMVST(マイクロバスト)です。
はじめに
この記事は、「MVSTって何の会社?」「なぜこんなに株価が下がったの?」と気になった投資初心者の方向けです。読み終えると、マイクロバストの事業内容、直近決算の中身、株価急落の理由、そして強気・弱気両方の材料がひと通りわかります。
先に結論です。MVSTは商用EV(トラック・バスなどの電気自動車)向けリチウムイオン電池の米国企業で、技術には定評がある一方、2026年第1四半期は売上高が前年同期比48%減というショック決算でした。株価は1ドル前後(2026年7月時点)まで下落しており、初心者が気軽に手を出せる銘柄ではない、というのが正直なところです。
MVST(マイクロバスト)とは?何をしている会社?
Microvast Holdings(マイクロバスト・ホールディングス)は、米テキサス州に本社を置く電池メーカーで、NASDAQ(米国の新興企業向け市場)にティッカー「MVST」で上場しています。
最大の特徴は、テスラのような乗用車ではなく、トラック・バス・建設機械といった商用車向けのリチウムイオン電池に特化している点です。
- 正極・負極・電解液・セパレーターといった材料から、セル、モジュール、パック、バッテリー制御システム(BMS)まで自社開発する「垂直統合型」
- 超急速充電と長寿命が技術面の売り
- EVだけでなくエネルギー貯蔵システム(ESS: 電気をためておく大型蓄電池)にも展開
直近では、290Ah(アンペアアワー)セルを使った新型バッテリーパックの投入や中国・湖州工場の増設を進めているほか、イタリアの商用車大手Iveco(イベコ)グループとの提携拡大も発表しています。事業自体は着実に動いている会社です。
株価はどうなっている?チャートで確認
52週高値は7.12ドル、52週安値は0.95ドル。2026年7月13日時点の株価は約0.98ドルと、高値から9割近く下げた水準です。正直、このチャートを初めて見たときは思わず声が出ました笑。
2026年Q1決算は「売上48%減」のショック決算

急落の直接のきっかけは、2026年5月11日に発表された2026年第1四半期(1〜3月期)決算です。主な数字を表にまとめました。
| 項目 | 2026年Q1 | 前年同期(2025年Q1) |
|---|---|---|
| 売上高 | 6,060万ドル | 1億1,650万ドル(−48.0%) |
| 粗利率 | 31.6% | 36.9% |
| 調整後EBITDA | −550万ドル | +2,850万ドル |
| 希薄化後EPS | −0.04ドル | — |
| 手元資金(現金等) | 1億7,400万ドル(3月末) | — |
市場予想の売上は約1億100万ドルだったので、大幅な未達です。発表後、株価は1日で約33%下落しました。
なぜここまで売上が落ちたのか
会社側の説明は主に2つ。規制・地政学面の逆風と、OEM(完成車メーカー)側のEV立ち上げの遅れです。電池を納める先であるトラックやバスの生産計画がずれ込んだ結果、工場の稼働率が下がり、利益率まで悪化するという悪循環になっています。
電池メーカーは自社だけでは売上を作れず、顧客のEVがどれだけ売れるか次第という「他力本願」な面があります。個人的には、ここがこのビジネスの一番怖いところだと思っています。
強気材料と弱気材料
・売上半減でも粗利率31.6%を確保しており、製品自体の採算は維持している
・手元資金1億7,400万ドルと、当面の資金繰りには一定の余裕
・Ivecoとの提携拡大、290Ahパック投入、湖州工場増設など事業面の前進は続いている
・売上前年比−48%で、回復時期の見通しが立てにくい
・株価が1ドル前後にあり、NASDAQの上場維持基準(最低株価1ドル)に抵触するリスク
・業績が顧客のEV需要や各国の規制環境に大きく左右される
次回の決算発表は2026年8月6日に予定されています。ここで売上回復の兆しを示せるかが当面の焦点です。
ひざきの所感: 自分の本資産で買うか?
実はMVST、以前このブログでも取り上げたことがあり、今でも検索で読みに来てくださる方がいる銘柄です。だからこそ、今の姿をごまかさずに書きました。
で、本音ですが——私は今の自分の本資産では買いません。垂直統合の技術やIvecoとの提携には夢がありますし、ドカンと反発してもらいたい気持ちは山々です。ただ、売上半減の理由が「顧客次第」である以上、個人投資家には回復時期を読む術がほぼないからです。
もし触るとしても、失っても笑って済ませられる少額まで。初心者の方はまず米国株の始め方 完全ロードマップで土台を作り、VOO vs VTIの比較記事で紹介しているようなインデックス投資から始めるのが王道だと思います。なんて言いつつ、8月6日の決算は私もしっかりウォッチするつもりです笑。
よくある質問
MVST(マイクロバスト)はどんな会社ですか?
商用EV(トラックやバスなど)向けのリチウムイオン電池を開発・製造する米国企業です。材料からセル、パック、制御システムまで自社開発する垂直統合型が特徴で、NASDAQにティッカー「MVST」で上場しています。
MVSTの株価はなぜ急落したのですか?
2026年5月11日発表の第1四半期決算で、売上高が前年同期比48%減の6,060万ドルと市場予想を大きく下回ったことが主因です。発表後に株価は1日で約33%下落し、その後も1ドル前後で推移しています(2026年7月時点)。
初心者がMVSTに投資しても大丈夫ですか?
値動きが非常に大きい小型株のため、初心者向きとは言えません。投資する場合でも失っても生活に影響のない少額にとどめ、まずはインデックスファンドなどで資産の土台を作ることをおすすめします。
まとめ
- MVST(マイクロバスト)は商用EV・蓄電向けリチウムイオン電池の米国企業。材料からBMSまでの垂直統合と超急速充電が強み
- 2026年Q1は売上高−48%のショック決算。株価は1ドル前後まで急落(2026年7月時点)
- 粗利率と手元資金は維持しているが、業績は顧客のEV立ち上げ次第。上場維持基準のリスクもあり、買うなら少額+8月6日の次回決算を確認してから
✍️ 筆者:ひざき|2019年から米国株をメインに投資。AI(Claude)と自作した自動売買の実績や本資産を毎週公開しています。→ 筆者について
この記事のデータの出典
本文中の事業内容・業績・株価などの数値は、2026年8月時点で確認できた公開情報にもとづいています。企業の業績や見通しは決算のたびに変わるため、投資を検討する場合は必ず会社が自ら発表している一次情報でご確認ください。
免責事項
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・商品の購入や売却を推奨するものではありません。株式・ETF・投資信託への投資には価格変動リスクがあり、元本割れの可能性があります。本文中の株価・利回り・業績・構成銘柄などの数値は執筆時点のもので、市況や商品性の変更によって変動します。最新の情報は、各運用会社・各企業のIR資料および各証券会社の公式情報、ならびに金融庁・国税庁の公表資料でご確認ください。税制の取り扱いはご自身の状況によって結論が変わるため、個別の税務相談は税理士等の専門家にご相談ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


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