はじめに
米国株投資をする上で、必ずといっていいほど名前が挙がるのが VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF) と VYM(バンガード・高配当株ETF) です。
両者ともバンガード社が運用する人気ETFですが、投資対象や戦略が異なるため「結局どっちがいいの?」と悩む投資家は少なくありません。
この記事では、VTIとVYMの違い・強み・トータルリターン特性を徹底比較し、投資スタイルごとの最適な選び方を解説します。
基本情報の比較
項目 | VTI | VYM |
---|---|---|
運用会社 | バンガード | バンガード |
設立年 | 2001年 | 2006年 |
投資対象 | 米国株式市場全体(約4000銘柄) | 米国の高配当株(約400銘柄) |
ベンチマーク | CRSP USトータル・マーケット・インデックス | FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス |
経費率 | 0.03% | 0.06% |
配当利回り(直近) | 約1.5〜1.7% | 約3.0〜3.5% |
→ VTIは「米国株市場の丸ごと投資」、VYMは「配当重視の大型株投資」 という位置づけになります。
銘柄構成の違い
VTI
- 米国株式市場全体に投資するため、大型株から中小型株まで幅広くカバー。
- 上位銘柄はApple、Microsoft、Amazon、NVIDIAなど、米国市場を代表するメガテック企業が占める。
- 成長株の比率が高く、株価上昇によるリターンが大きい。
VYM
- 高配当株に絞り込んだ構成。
- 上位銘柄はJPMorgan Chase、Johnson & Johnson、Exxon Mobilなど、金融・エネルギー・生活必需品が多い。
- ディフェンシブな業種比率が高く、景気後退局面でも安定感がある。
トータルリターンの比較(参考データ)
ETFは株価上昇と分配金を合わせた「トータルリターン」で評価するのが重要です。
以下は過去のリターン実績(年率、参考値)です。
期間 | VTI(トータルリターン) | VYM(トータルリターン) |
---|---|---|
1年 | 約 +22% | 約 +15% |
3年(年率) | 約 +8% | 約 +6% |
5年(年率) | 約 +11% | 約 +8% |
10年(年率) | 約 +10% | 約 +7% |
※データは過去の実績であり、将来の成果を保証するものではありません。
👉 表からも分かる通り、VTIは株価上昇によるリターンでVYMを上回る傾向があります。
一方で VYMは安定的に配当を得ながらリターンを確保しており、下落局面での安心感も特徴です。
リスクと値動きの違い
- VTI
市場全体に分散しているため、個別株リスクは小さい。ただし成長株の比率が高いため、ハイテク株下落時は影響を受けやすい。 - VYM
高配当株中心でディフェンシブ色が強く、景気後退時に相対的に下落幅が抑えられる傾向。
ただし、金融やエネルギー株の比率が高いため、特定セクターの影響を受けやすい。
投資スタイル別の使い分け
VTIが向いている人
- 米国株式市場全体の成長を取り込みたい
- 配当よりもキャピタルゲイン重視
- 長期で「とにかく米国株全体に投資したい」シンプル志向
VYMが向いている人
- 安定した配当収入を重視したい
- 市場下落時でも比較的安心感のあるETFを持ちたい
- FIRE後の生活費補填やインカムゲイン狙い
VTIとVYMの組み合わせ戦略
実は「どちらか一方に絞る」必要はありません。
- 成長を狙う VTI
- 配当で安定感を得る VYM
両方をポートフォリオに組み合わせることで、バランスの取れた米国株投資が可能になります。
例)
- VTI:70%、VYM:30% → 成長重視+配当の安心感
- VTI:50%、VYM:50% → 配当と成長のバランス型
まとめ
- VTIは「米国株式市場丸ごと」投資の成長型ETF
- VYMは「高配当株」投資の安定型ETF
- リターン重視ならVTI、配当重視ならVYM
- 両方を組み合わせるのも有効な戦略
📌 投資スタイルやライフステージに応じて、最適なETFを選びましょう。
あなたは「成長重視派」ですか?それとも「配当重視派」ですか?ぜひコメントで教えてください!
コメント