はじめに
米国株投資を始めると必ず目にする「S&P500」。そして近年、ハイテク株を中心に圧倒的な成績を残している「FANG+」指数。どちらも人気の投資対象ですが、特徴やリスクは大きく異なります。
この記事では、S&P500とFANG+を「リターン」「リスク」「今後の展望」の観点から徹底比較します。さらに、トータルリターンのデータも表にまとめました。
S&P500とは?
S&P500は、米国の代表的な株価指数で、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場する大型株500社から構成されています。AppleやMicrosoft、Johnson & Johnson、Coca-Colaなど、セクターを代表する企業が集まっています。
特徴:
- 米国経済の成長を広く取り込める
- 分散投資が効いており安定性が高い
- 長期的に右肩上がりの実績
FANG+とは?
FANG+は、米国を代表するハイテク・インターネット関連企業に集中投資する指数です。構成銘柄は10社と少なく、集中度が高いのが特徴です。
主な構成銘柄:
- Meta(旧Facebook)
- Apple
- Amazon
- Netflix
- Alphabet(Google)
- NVIDIA
- Tesla
- Microsoft
- Snowflake
- AMD
特徴:
- AI、クラウド、EVなど成長産業の最前線
- ボラティリティ(価格変動)が大きい
- 過去10年のリターンはS&P500を大きく上回る
トータルリターン比較(過去10年)
以下は過去10年におけるS&P500とFANG+の年間平均リターンの目安です。
指数 | 年率平均リターン | 最大下落率(Drawdown) | 特徴 |
---|---|---|---|
S&P500 | 約 +11% | -34%(2020年コロナ) | 安定的に右肩上がり |
FANG+ | 約 +22% | -45%(2022年下落局面) | ハイリスク・ハイリターン |
📌 ポイント:
- 長期ではFANG+が圧倒的に高いリターンを記録。
- しかし下落時の振れ幅はS&P500よりも大きい。
- 安定成長を求めるならS&P500、成長を狙うならFANG+。
リスク比較
S&P500:
- 500銘柄に分散されているため、特定企業の業績に依存しない。
- リスクは比較的低め。
FANG+:
- わずか10銘柄に集中しているため、個別株に近い性質。
- 金利上昇局面や決算ショックで大きく動く。
今後の展望
- S&P500は米国経済を反映するため、引き続き安定した成長が見込める。
- FANG+はAI・半導体・クラウド・EVといった成長産業の中心。今後も高リターンを狙える一方で、景気後退局面では急落のリスク。
戦略例:
- コア投資としてS&P500を積立
- サテライト投資としてFANG+を一部保有
→ 安定と成長の両方を取りに行けるバランス型の戦略がおすすめです。
まとめ
- 安定性重視:S&P500
- 成長性重視:FANG+
- 両者を組み合わせてバランスを取るのがベスト
投資スタイルやリスク許容度に応じて、どちらを重視するかを考えましょう。
リターンの差は魅力的ですが、長期投資では「続けられるかどうか」が何より大切です。
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