楽天SCHDとSBI SCHDの違いは?新NISA比較

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この記事を書いた人|ひざき

米国株をメインに資産運用中。AIと一緒に自動売買システムを自作し、ペーパー口座での売買実績を毎週そのまま公開しています。自分の資産額も毎週公開中。新NISAは毎年満額まで使っています。専門家ではなく、いま実際に手を動かしている個人投資家の目線で書いています。→ プロフィール

はじめに|結論から言うと、差はコストではなく「決算月」です

楽天SCHDとSBI SCHD、どっちを選べばいいのか。結論から言うと、実質コストの差は年0.0011%(100万円あたり年11円)しかないので、コストで悩む意味はほとんどありません。実際に効いてくる違いは「決算月がずれていること」です。楽天は2・5・8・11月、SBIは3・6・9・12月、そして3本目のTracersは1・4・7・10月。中身はどれも同じ米国ETF「SCHD」なので、選び分けの基準はコストより分配金がいつ入るかになります。この記事では3本の公式資料をあたって、新NISA目線で違いを整理しました。

※本記事で取り上げる3本の投資信託は、いずれも筆者は保有していません。以下は各運用会社の公式情報にもとづく整理で、「使ってみてどうだったか」の実体験ではありません。

そもそも3本とも、中身はほぼ同じです

最初につまずきやすいところなので先に整理します。SCHDは「シュワブ・米国配当株式ETF」という米国のETFで、ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス(原則100銘柄の米国高配当株)に連動します。楽天とSBIの投信は、マザーファンドを通じてこのSCHDそのものを買っています。楽天はマザーファンドの純資産の98.1%(楽天投信投資顧問・交付目論見書、2026年2月末時点)、SBIはマザーファンドの99.5%(SBIアセットマネジメント・月次レポート、2026年8月31日基準)がSCHDです。

Tracersも同じ「ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス(税引後配当込み、円換算ベース)」への連動を目指すファンドで、公式の費用欄にも保有する上場投資信託証券への報酬が記載されています(アモーヴァ・アセットマネジメント公式、2026年9月時点)。ただしTracersについては、公式資料に「上場投資信託証券」とあるだけで、それがSCHDだとは明記されていません(アモーヴァ公式・2026年9月時点)。連動する指数は3本とも同じなので、いずれにせよ投資先の中身で選び分けることはほとんどできません。ここが「どれがいいか」を難しくしている正体です。

楽天・SCHD SBI・S・米国高配当株式 Tracers DJ USディビデンド100
運用会社 楽天投信投資顧問 SBIアセットマネジメント アモーヴァ・アセットマネジメント(旧・日興アセットマネジメント)
設定日 2024年9月18日 2024年12月20日 2025年5月29日
信託報酬(表示) 年0.1238%(税込) 年0.0627%(税込) 年0.10725%(税込)
実質の負担 年0.1238%程度 年0.1227%程度 年0.167%程度(=0.10725%+ETF0.06%)
決算日 2・5・8・11月の各25日 3・6・9・12月の各28日 1・4・7・10月の各4日
純資産総額 約2,619億円 約2,324億円 約38億円
基準価額(1万口) 13,381円 12,588円 14,088円
取扱いのある証券会社 楽天証券 SBI証券・三菱UFJ eスマート証券(松井証券は2026年9月14日から) SBI証券・松井証券・マネックス証券・三菱UFJ eスマート証券
新NISA成長投資枠 対象 対象 適格
各運用会社の公式資料より作成。純資産総額と基準価額は3本とも2026年9月8日時点の公式サイト掲載値。信託報酬・設定日・決算日は各社の交付目論見書および公式ページ(2026年9月時点)。

コストは「表示の信託報酬」で比べると順位を間違えます

上の表でいちばん注意してほしいのがコストの行です。信託報酬の数字だけを並べるとSBI 0.0627% < Tracers 0.10725% < 楽天 0.1238% となり、SBIが圧勝、楽天が最下位に見えます。ところがこれは比較として成立していません。

理由は、投資先のSCHD自体に年0.06%の報酬がかかるからです。SBIはこれを加えて実質年0.1227%(税込)程度と公式に明記しています(SBIアセットマネジメント公式・2026年9月時点)。楽天は少し変わっていて、ETFの0.06%相当額を運用会社がファンドに充当するため、実質負担も年0.1238%程度のままです(楽天投信投資顧問・交付目論見書、2026年5月26日使用開始)。一方Tracersは、公式の費用欄に「この他に、保有する上場投資信託証券の純資産に対し年率0.06%がかかります」とあるので、単純合算すると年0.167%程度になります。

楽天SCHD・SBI SCHD・TracersのSCHD連動投信3本を実質コスト(年率・税込)で比較した横棒グラフ。SBI 0.1227%、楽天 0.1238%、Tracers 0.167%。
実質で並べると、表示の信託報酬とは順位が変わります(各運用会社の公式資料より・2026年9月時点)

それでも楽天とSBIの差は年0.0011%です。100万円を1年持って11円。正直に言って、この差を根拠に選ぶ意味はありません。もう一つ付け加えると、実際に引かれるコストは信託報酬だけではありません。楽天SCHDの総経費率は0.19%(2025年8月26日〜2026年2月25日・楽天投信投資顧問公式)で、信託報酬0.1238%より0.07ポイントほど高い。監査費用や売買委託手数料が乗るためです。0.001%を比べるより、この「表に出ないコスト」があることを知っておくほうが実用的だと私は思います。

いちばん実用的な違いは、決算月が1つも重なっていないこと

3本の公式ページを並べて眺めていて、いちばん「これは使える」と思ったのがここでした。決算月がきれいに1か月ずつずれています。

Tracersが1・4・7・10月、楽天SCHDが2・5・8・11月、SBI SCHDが3・6・9・12月と、3本の決算月が重ならないことを示した図解。
3本の決算月(各運用会社の公式資料より・2026年9月時点)

Tracersが1・4・7・10月、楽天が2・5・8・11月、SBIが3・6・9・12月。3本を同時に持てば、理屈のうえでは12か月すべてで分配金の決算日が来ることになります。「毎月分配型の投信は新NISAの成長投資枠で買えない」という制度の壁を、年4回決算のファンドを組み合わせることで実質的に回避できる、という構図です。

ただし、これを手放しでおすすめする気にはなれません。理由は3つあります。①決算日が来ても分配金が必ず出るとは限らない(3本とも目論見書に明記されています)。②Tracersを混ぜると実質コストの平均が上がる③管理する商品が3つに増える。中身は同じSCHDなので、分散にもなっていません。毎月お金が入ってくる体験そのものに価値を感じる人向けの、いわば嗜好の話だと思っています。

100万円を1年持つと、分配金はいくらだったのか

実績ベースで計算してみます。将来を約束するものではなく、あくまで「過去1年こうだった」という数字です。

100万円あたり 楽天・SCHD SBI・S・米国高配当株式
直近4回の分配金(1万口あたり) 360円 360円
基準価額(2026年9月8日) 13,381円 12,588円
年間の分配金(税引前) 約26,900円 約28,600円
特定口座(20.315%課税後) 約21,400円 約22,800円
新NISA成長投資枠(国内非課税) 約26,900円 約28,600円
各運用会社の公式資料の分配実績と基準価額(2026年9月8日)から筆者が試算。この差をファンドの優劣として読まないでください。直近4回の分配金はどちらも360円で同額です。差が出ているのは基準価額の水準で、楽天は2026年8月25日の分配落ち後、SBIは2026年9月28日の決算を控えた位置にある、というタイミングの違いが効いています。中身は同じSCHDです。Tracersは2025年5月設定で純資産も約38億円と規模が大きく異なるため、本表からは外しています。

新NISAだと1年で5,400〜5,800円ほど手取りが変わる計算です。ただし注意点があり、新NISAで非課税になるのは日本国内の20.315%だけです。米国内で引かれる分についての扱いは商品や口座によって変わるので、米国ETFの分配金にかかる税金と二重課税の記事にまとめています。

新NISAで買うなら、ここだけは押さえておきたい

3本とも新NISAの成長投資枠の対象です(各運用会社の公式資料・2026年9月時点)。ただし取扱いは販売会社によって異なるので、自分の証券会社で買えるかは必ず確認してください。楽天SCHDは楽天証券、SBI・SはSBI証券と三菱UFJ eスマート証券で取り扱われており、SBI・Sは2026年9月14日から松井証券でも取扱いが始まります(SBIアセットマネジメント月次レポート・2026年8月31日基準)。Tracersは公式サイトの「購入できる金融機関」にSBI証券・松井証券・マネックス証券・三菱UFJ eスマート証券が挙がっており、3本のなかでは取扱いがいちばん広いです(アモーヴァ公式・2026年9月時点)。

もう一点。分配金を受け取るということは、その分だけ複利が効かなくなるということです。同じSCHDでも、分配せずに再投資し続けるタイプを選んだほうが、長期のリターンでは有利になりやすい。「高配当だから増える」ではなく「増えたものを一部先に受け取っている」という理解が正確です。成長投資枠の使い方は新NISAの成長投資枠で米国ETFを買うときの整理にも書いています。

私ならどうするか(本音)

正直に書きます。私はこの3本のどれも持っていません。理由は単純で、私の主力は高配当ETFの比較記事でまとめているとおり全世界・全米型のインデックスで、分配金を今もらう必要がないからです。今もらうと税金を先払いすることになるので、取り崩しが必要になるまでは再投資型のほうが自分には合っています。

そのうえで、もし「分配金が入ってくる体験がないと積立を続けられない」という人がいたら、私は迷わず1本だけ選ぶことをすすめます。使っている証券会社で買えるほうを選べば十分で、コスト差は誤差です。3本を並べて何日も悩むくらいなら、その時間で1回積立設定してしまったほうが確実にプラスになります。私自身、昔は商品選びで2週間悩んで、その間まったく買えていませんでした。あれがいちばんもったいなかったと今でも思います。SCHDと米国ETFのVYMで迷っている方は、VYMとSCHDの比較記事もあわせてどうぞ。

よくある質問

Q. 楽天SCHDとSBI SCHD、結局どっちが安い?

実質コストはSBIが年0.1227%程度、楽天が年0.1238%程度で、SBIがわずかに安いです(各社公式・2026年9月時点)。ただし差は年0.0011%=100万円あたり年11円なので、これを判断材料にする必要はありません。使っている証券会社で買えるほうを選んで問題ないレベルの差です。なお楽天SCHDの交付目論見書には、監査費用なども含めた総経費率0.19%(対象期間2025年8月26日〜2026年2月25日)という参考値も載っています。信託報酬は「実際に引かれる費用の全部」ではない、という点は頭の隅に置いておくといいです。

Q. 3本とも新NISAの成長投資枠で買える?

3本とも成長投資枠の対象です(各運用会社の公式資料・2026年9月時点)。いずれも年4回決算なので、毎月分配型が除外される規定には当たりません。ただし取扱いは販売会社によって異なるため、口座を持っている証券会社のラインナップは必ず確認してください。

Q. Tracersは信託報酬がいちばん安いのでは?

表示上の信託報酬は年0.10725%で3本のなかで最安ですが、公式ページに「この他に保有する上場投資信託証券に年率0.06%がかかる」と記載があるため、単純合算すると年0.167%程度となり実質では最も高くなります。信託報酬だけを見て選ぶと順位を読み違える典型例です。

Q. 3本を全部買えば毎月分配金がもらえる?

決算月は1・4・7・10月/2・5・8・11月/3・6・9・12月と重なっていないので、理屈のうえでは毎月決算日が来ます。ただし決算日に必ず分配金が出るとは限らず、実質コストの平均も上がります。中身は3本とも同じ指数に連動するので分散効果もありません。おすすめはしませんが、仕組みとして成立はします。

Q. 投信版ではなく、米国ETFのSCHDを直接買うのとどっちがいい?

為替の手間をかけたくない、100円から積み立てたい、クレカ積立を使いたいなら投信版が有利です。逆に保有コストを1円でも下げたいならETF直接のほうが有利になり得ます。ただしどちらも中身は同じ指数なので、リターンの大勢はここでは決まりません。断定はできないので、自分が続けやすいほうを選ぶのが正解だと考えています。

まとめ

  • 3本とも中身は同じ米国ETF「SCHD」。投資先で選び分けることはできない
  • 実質コストはSBI 0.1227%/楽天 0.1238%/Tracers 0.167%程度。上位2本の差は100万円で年11円
  • 表示の信託報酬だけで比べると順位を読み違える。ETF側の0.06%を必ず足して見る
  • 本当に効く違いは決算月。1・4・7・10月/2・5・8・11月/3・6・9・12月とずれている
  • 3本とも新NISA成長投資枠の対象。ただし販売会社の取扱いは要確認
  • 迷ったら1本でいい。悩んで買えない期間のほうが損失になりやすい

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免責事項

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・商品の購入や売却を推奨するものではありません。株式・ETF・投資信託への投資には価格変動リスクがあり、元本割れの可能性があります。本文中の信託報酬・実質コスト・分配金実績・基準価額・純資産総額・決算日などの数値は2026年9月時点のもので、市況や商品性の変更によって変動します。分配金は将来の支払いや金額が保証されたものではなく、支払われない場合もあります。最新の情報は、楽天投信投資顧問・SBIアセットマネジメント・アモーヴァ・アセットマネジメント(旧・日興アセットマネジメント)およびチャールズ・シュワブ等の各運用会社、ならびに各証券会社の公式情報、金融庁・国税庁の公表資料でご確認ください。税制の取り扱い(外国税額控除・確定申告の有利不利など)はご自身の状況によって結論が変わります。個別の税務相談は税理士等の専門家にご相談ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

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