この記事を書いた人|ひざき
米国株をメインに資産運用中で、新NISAは毎年満額まで使っています。AIと一緒に自動売買システムを自作し、ペーパー口座での売買実績を毎週そのまま公開中。自分の資産額も毎週公開しています。金融の専門家ではなく、いま実際に手を動かしている個人投資家の目線で書いています。→ プロフィール
はじめに|新NISAで米国ETFは買えるのか
結論から書きます。VTIやVOOのような米国上場ETFは、新NISAの「成長投資枠」なら買えます。「つみたて投資枠」では買えません。ただし成長投資枠にも除外条件があり、毎月分配型に変わった商品は対象から外れます。実際に2026年6月、米国高配当ETFのHDVがこれに該当して新NISAで買えなくなりました。
この記事は、新NISAで米国ETFを買おうか迷っている初心者の方向けです。①どちらの枠で買えるのか、②どんな商品が対象から外れるのか、③買う前に知っておきたい注意点、を金融庁の公式情報で確認しながら整理します。

米国ETFが買えるのは「成長投資枠」だけ
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあり、併用できます。両者の違いを表にまとめます。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間の投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 生涯の非課税保有限度額 | 2つ合わせて1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円が上限) | |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
| 主な対象商品 | 金融庁が指定した長期の積立・分散投資に適した投資信託など | 上場株式・ETF・投資信託など(一部除外あり) |
| 米国上場ETF(VTI・VOOなど) | 買えない | 買える |
つみたて投資枠の対象は、金融庁が指定した商品に限られます(一覧は金融庁「つみたて投資枠対象商品」で公開されています)。ここに米国上場のETFは入っていません。米国ETFを新NISAで買いたいなら、選択肢は成長投資枠一択ということになります。
もう1つ、意外と見落とされがちな点があります。成長投資枠の対象であっても、その証券会社が取り扱っていなければ買えません。米国ETFの取扱銘柄数は証券会社ごとに差があるので、口座を選ぶ段階で確認しておくと後で困りません。口座開設からの流れは米国株の始め方 完全ロードマップにまとめています。
成長投資枠から除外される商品の条件
成長投資枠は「幅広く買える枠」ですが、なんでも買えるわけではありません。金融庁は除外対象を次のように示しています(2026年8月時点)。
- 整理・監理銘柄(上場廃止が決まった、またはその可能性がある銘柄)
- 信託期間20年未満の投資信託
- 毎月分配型の投資信託
- デリバティブ取引を用いた一定の投資信託(レバレッジ型など)
共通しているのは「長期の資産形成に向かない」と整理されたものが外されている、という点です。毎月分配型が外れているのは、分配金を毎月払い出すために元本を取り崩す設計になりやすく、複利で増やす目的と噛み合わないから、という説明がよくされます。
ここで大事なのは、この条件は「買ったあと」も効いてくるということです。商品性が変われば、いままで買えていたものが買えなくなります。それが次のHDVの話です。
実例:HDVが2026年6月に新NISAで買えなくなった
※HDVは筆者は保有していません。以下は運用会社の公式情報と各証券会社の告知にもとづく整理で、「使ってみてどうだったか」の実体験ではありません。
HDV(iシェアーズ・コア米国高配当株ETF)は、長らく年4回の四半期分配でした。ところが2026年6月16日から毎月分配へ変更されています(ブラックロックが公表しているiシェアーズETFの分配スケジュール・2026年8月時点)。数値と分配頻度はiShares公式のHDVファクトシート(PDF)で確認できます。
この変更によって、HDVは成長投資枠の除外条件「毎月分配型」に該当することになりました。結果として国内の主要ネット証券は、NISA口座でのHDVの買付を停止しています。押さえておきたいのは次の3点です。
- 新NISA成長投資枠での「新規買付」ができなくなった
- すでにNISA口座で保有している分は、そのまま非課税で持ち続けられる(慌てて売る必要はありません)
- 特定口座・一般口座でなら、これまでどおり買える
「制度の対象から外れた=悪い商品になった」ではありません。中身(構成銘柄や利回りの性質)が変わったわけではなく、日本の制度の線引きに引っかかっただけです。とはいえ、新NISAで高配当ETFを積み上げるつもりだった人にとっては、前提が崩れる話ではあります。HDVを含む高配当ETFの比較は高配当ETF比較まとめ|VYM・SPYD・HDV・SCHDの違いで、3本の中身の違いはSPYD・VYM・HDVの比較記事で整理しています。
私が新NISAと米国ETFについて思っていること
正直に書くと、私が新NISAで一番迷うのは「円建ての投資信託にするか、米国上場ETFにするか」です。私自身は米国ETFではVTIとSPYDを保有していますが、円建ての投信版にも合理性はあると思っています。
私が感じている分かれ目は、分配金を自分で再投資する手間を許容できるかどうかです。米国ETFは分配金がドルで入ってきて、再投資したければ自分で買い注文を出す必要があります。1株単位でしか買えないので、端数のドルが口座に残り続けることも珍しくありません。一方、円建ての投資信託には自動で再投資してくれるタイプがあり、放っておいても複利が効きます。
「どっちが正解か」ではなく、「自分が何年も続けられるのはどっちか」で決めるのが現実的だと私は思っています。制度の枠は毎年リセットされますが、続かない運用はリセットが効きません。ちなみにVTIとVYMの比較はVTI vs VYM の記事にまとめています。
もう1つ。私が最初に勘違いしていたのは、成長投資枠を「個別株のための枠」だと思っていたことです。実際にはETFも投資信託も買えるので、つみたて投資枠で買えない商品を買うための枠と捉えたほうが、選択肢が広がると感じています。
新NISAで米国ETFを買う前の3つの注意点
1. 米国で引かれる税金までは非課税にならない
米国ETFの分配金には、まず米国側で10%の源泉徴収がかかります。課税口座であれば確定申告で外国税額控除を使える場合がありますが、NISA口座はそもそも日本で課税されていないため、この控除の対象になりません。つまり米国分の10%は取り戻せない、と考えておくのが安全です。実際の取り扱いはご自身の状況で変わるため、国税庁の公表資料や利用中の証券会社の案内で確認してください。
2. 為替のコストと手順がひと手間ある
米国ETFはドル建てです。円貨決済にすればワンタッチで買えますが為替手数料が上乗せされ、外貨決済にすれば安く済む代わりに自分でドルに替える手順が増えます。金額が小さいうちは差は小さいので、まずは続けやすい方法で始めて構わないと思います。
3. 商品性の変更で対象外になることがある
HDVの件が示したとおり、制度の対象/対象外は運用会社の都合で変わり得ます。長期で積み上げるつもりの銘柄については、年に一度くらいは分配頻度や信託期間の変更がないか、運用会社の公式ページを見ておくと安心です。
よくある質問
Q. つみたて投資枠で米国ETFは買えますか?
買えません。つみたて投資枠の対象は金融庁が指定した商品に限られており、米国上場のETFは含まれていません。米国ETFを新NISAで買うなら成長投資枠を使います。
Q. VTIやVOOは新NISAで買えますか?
成長投資枠で買えます。ただし最終的には利用する証券会社がその銘柄をNISA対象として取り扱っているかどうかで決まるので、購入前に各社の「NISA成長投資枠 対象銘柄」の一覧を確認してください。
Q. HDVはもう新NISAで買えないのですか?
成長投資枠での新規買付はできません。2026年6月16日に毎月分配型へ変更され、除外条件に該当したためです。すでにNISA口座で保有している分は非課税のまま持ち続けられ、特定口座・一般口座では引き続き購入できます。
Q. 米国ETFと円建ての投資信託、新NISAではどちらがいいですか?
どちらが有利かは断定できません。分かれ目は「分配金の再投資を自分の手でやれるか」です。自動で再投資してほしいなら円建ての投信版、ドルの分配金を自分で使いたい・再投資の判断を自分で持ちたいなら米国ETFが向きます。
Q. NISAなら分配金の税金はゼロになりますか?
日本の約20%は非課税になりますが、米国で引かれる10%は残ります。しかもNISA口座では外国税額控除が使えないため、この10%は取り戻せないと考えておいてください。
まとめ
- 米国上場ETFは成長投資枠なら買える。つみたて投資枠では買えない
- 成長投資枠でも、整理・監理銘柄/信託期間20年未満/毎月分配型/デリバティブ型は除外
- HDVは2026年6月16日の毎月分配化で成長投資枠の対象外に。既保有分は非課税のまま
- 米国側の10%課税はNISAでも残り、外国税額控除も使えない
- 取扱銘柄は証券会社ごとに違うので、口座を選ぶ段階で確認する
新NISAは枠が大きく、非課税期間も無期限になりました。だからこそ「買えるかどうか」より「10年続けられるかどうか」で選びたいところです。私も毎年満額まで使いながら、続けやすさを優先して中身を調整しています。
この記事を書いた人|ひざき
米国株をメインに資産運用中。新NISAは毎年満額まで利用。AIと自作した自動売買システムのペーパー口座での実績と、自分の資産額を毎週そのまま公開しています。金融の専門家ではありません。→ プロフィール
免責事項
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・商品の購入や売却を推奨するものではありません。株式・ETF・投資信託への投資には価格変動リスクや為替変動リスクがあり、元本割れの可能性があります。本文中の投資枠・対象商品・分配頻度などの内容は2026年8月時点のもので、制度改正や商品性の変更によって変動します。最新の情報は、金融庁・国税庁の公表資料、ならびにVanguard・iShares(BlackRock)・State Street(SSGA)・Schwab等の各運用会社および各証券会社の公式情報でご確認ください。税制の取り扱い(外国税額控除・確定申告の有利不利など)はご自身の状況によって結論が変わります。個別の税務相談は税理士等の専門家にご相談ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

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