SPYD vs VYM vs HDV どれを選ぶ?高配当ETF比較

銘柄・ETFガイド

この記事を書いた人|ひざき

米国株をメインに資産運用中。AIと一緒に自動売買システムを自作し、ペーパー口座での売買実績を毎週そのまま公開しています。自分の資産額も毎週公開中。専門家ではなく、いま実際に手を動かしている個人投資家の目線で書いています。→ プロフィール

※筆者はSPYDを保有していますが、VYM・HDVは保有していません。VYM・HDVについては各運用会社の公式情報にもとづく整理で、実際に使ってみた体験ではありません。

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年4回の分配金がもらえる米国の高配当ETF、気になりませんか?この記事は、代表的な高配当ETFであるSPYD・VYM・HDVのどれを選べばいいか迷っている初心者の方向けです。先に結論をお伝えすると、迷ったら分散重視のVYM、今の分配金を最重視するならSPYD、守り重視ならHDVです。この記事では3本の違いを数字で比較し、タイプ別の選び方まで解説します。

折しも先週は半導体株の急落で相場が荒れ、7月20日(現地)もダウ平均は307ドル安(-0.59%)と軟調でした。ベアマーケット(弱気相場)という言葉も飛び交う中で、「値上がり益だけでなく配当という現金収入も欲しい」と考える方が増えるタイミングだと思います。

そもそも高配当ETFとは?

高配当ETFとは、配当利回り(株価に対する年間配当の割合)が高い銘柄を集めたETF(上場投資信託)です。1本買うだけで数十〜数百の高配当株に分散投資でき、保有中は年4回の分配金を受け取れます。SPYD・VYM・HDVはいずれも米国株の高配当ETFの定番で、日本の主要ネット証券でも人気上位の常連です。

3本の違いを数字で比較

SPYD・VYM・HDVの分配金利回り・経費率・銘柄数の比較図(2026年7月時点)
項目 SPYD VYM HDV
運用会社 ステート・ストリート バンガード ブラックロック
銘柄数 80(均等加重) 約600 75
経費率(年) 0.07% 0.04% 0.08%
分配金利回り(目安) 約4.5% 約2.4% 約3.0%
性格 利回り最重視 分散とバランス 財務健全な厳選型

※銘柄数・経費率・利回り(30日SEC利回り)は2026年3〜7月時点の各運用会社公表データおよび調査データに基づきます。いずれも変動します。

SPYD:利回り最重視の均等加重型

SPYDは、S&P500(米国の主要500社をまとめた指数)の中から配当利回りが高い上位80銘柄を選び、均等に組み入れるETFです。利回りは約4.5%と3本の中で最も高く、「とにかく分配金が欲しい」というニーズに直球で応えます。

一方で弱点もはっきりしています。利回りの高さだけで選ぶ設計のため、不動産や公益事業など特定のセクターに偏りやすく、株価の下落局面に弱い傾向があります。実際、過去10年の年率リターンは8.56%と、VYMの11.55%を大きく下回っています(2026年時点の調査データ)。

注意: 利回りが高いETFほど株価の値動きも荒くなりがちです。「利回り=もらえる得」ではなく「リスクの対価」という面があることは覚えておきましょう。

VYM:約600銘柄に分散する王道

VYMは、米国株のうち市場平均を上回る利回りが見込まれる銘柄を幅広く集めたETFで、組み入れは約600銘柄(2026年時点)と3本の中で圧倒的に分散が効いています。経費率も0.04%と最安です。

利回りは約2.4%と控えめですが、その分値上がり益も狙えるバランス型で、過去10年の年率リターンは11.55%と3本の比較では優秀でした。「高配当ETFに興味はあるけれど、値上がり益も捨てたくない」という方に向いています。VYMについてはVTI vs VYMの比較記事でも詳しく書いています。

HDV:財務健全な75銘柄に厳選

HDVは、財務の健全性でスクリーニングした75銘柄(2026年3月末時点)に絞り込む厳選型です。エネルギー・ヘルスケア・生活必需品といったディフェンシブ(景気に左右されにくい)セクターの比率が高く、上位10銘柄で資産の約51%を占める集中型でもあります。利回りは約3.0%と、SPYDとVYMの中間です。

「下落相場や景気後退が心配。配当も欲しいが守りを固めたい」という方に向いた性格です。ただし銘柄数が少ないぶん、個別企業の値動きの影響を受けやすい点は覚えておきましょう。

2026年のHDV、2つの大きな変更

HDVは2026年に入って2つの変更がありました。どちらも「中身が悪くなった」という話ではないのですが、日本から買う人にとっては影響が大きいので分けて整理します。

①2026年4月に5対1の株式分割をしました。1株が5株になり、そのぶん1株あたりの株価は約5分の1になっています(iShares公式・2026年3月27日付の目論見書補足)。分割調整後の株価での取引は2026年4月29日から始まりました。持っている資産の総額が減ったわけではなく、1株が買いやすい金額になったということです。分割前の株価が載っている古い記事を読むときは注意してください。

②2026年6月16日から、分配が四半期ごと(年4回)ではなく毎月(年12回)になりました。iSharesの公式ファクトシートでも分配頻度は「Monthly」と記載されています(2026年6月30日時点)。ここで大事なのは、変わったのは配当を渡すタイミングだけで、組み入れている75銘柄そのものは変わっていないということです。

ただし、この②が日本の投資家には効いてきます。新NISAの成長投資枠は、制度として毎月分配型の商品を対象から外しているため、HDVは自動的に新NISAの対象外になりました。主要ネット証券でも新NISA口座での買付が停止されています。すでに新NISAで持っている分はそのまま非課税で保有でき、新しく買う場合は特定口座・一般口座を使う形になります。

毎月分配そのものは、良い悪いというより好みが分かれる変更だと思っています。毎月お金が入るのは家計の感覚に合う一方で、受け取るたびに課税されるので、配当を再投資して増やしたい人にはやや効率が落ちます。私は「HDVの設計が悪くなった」とは考えていませんが、新NISAで高配当を非課税で受け取りたいと思っていた人にとっては、選択肢が1つ減ったのは事実です。

新NISAのどちらの枠で米国ETFが買えるのか、毎月分配型以外にどんな除外条件があるのかは、新NISAで米国ETFは買える?成長投資枠の対象と除外にまとめています。

なお2026年6月30日時点のHDVは、経費率0.08%、30日SEC利回り3.14%、保有75銘柄、純資産約136.6億ドルです(iShares公式ファクトシート)。最新の数値は必ずiShares公式のファクトシートでご確認ください。

100万円を入れたら、年にいくら受け取れる?

利回りの数字だけだとピンと来ないので、100万円分を持ったと仮定して年間の分配金に置き換えてみます。あくまで想定の試算で、実際の受取額を保証するものではありません。

ETF 分配金利回り(想定) 年間の分配金(税引前) 月あたり
SPYD 約4.5% 約45,000円 約3,750円
HDV 約3.1% 約31,000円 約2,583円
VYM 約2.4% 約24,000円 約2,000円
100万円を投資したと仮定した場合の想定値。HDVの利回りはiShares公式の30日SEC利回り(2026年6月30日時点)、SPYD・VYMは2026年7月時点の調査値。利回りは株価と分配金で常に変動します。実際には米国で約10%、日本で約20%の税金が差し引かれるため、手取りはこれより少なくなります。

こうして並べると、SPYDとVYMで年間2万円ほどの差が出ます。ただしSPYDは景気敏感セクターの比率が高いぶん、株価の下げも分配金の減り方も大きくなりやすいので、「利回りが高い=得」と単純に決められないところが高配当ETFの難しさです。

どれを選ぶ?タイプ別の答え

  • 迷ったら・長期でコツコツ派 → VYM(分散・低コスト・トータルリターン)
  • 今の分配金額を最大化したい → SPYD(利回り約4.5%、ただし値動きは荒め)
  • 下落相場や景気後退に備えたい → HDV(ディフェンシブ・財務健全性重視)

なお「高配当より市場全体への投資が気になってきた」という方は、VOO vs VTIの比較記事もあわせてどうぞ。

ひざきの所感

正直に言うと、私はVYM派です。SPYDの利回り約4.5%は本当に魅力的なんですが、過去10年のトータルリターンで年3%近い差を見せられると、「分配金で受け取った分、値上がりで取りこぼしていた」という見方もできてしまいます。

ただ、分配金が定期的に振り込まれる安心感は数字以上のものがあります。相場が荒れても淡々と持ち続けられる精神安定剤としては最強なんですよね笑。今のような不安定な相場では、HDVの守りの設計も侮れないと思っています。どれを選んでも「下げたときに狼狽売りしない」ことが一番大事です。

よくある質問

Q1. SPYD・VYM・HDVは新NISAで買えますか?

SPYDとVYMは買えますが、HDVは2026年6月から新NISAでは新規に買えなくなりました。HDVが分配頻度を毎月に変更したためです。新NISAの成長投資枠は、制度として毎月分配型の商品を対象から外しています。すでに新NISA口座で持っているHDVは、これまでどおり非課税のまま保有を続けられます。新規に買う場合は特定口座・一般口座を使うことになります。SPYD・VYMについても取扱状況は証券会社ごとに異なるため、口座のある証券会社で最新の情報をご確認ください。

Q2. 3本のうち複数を組み合わせて買ってもいいですか?

問題ありません。ただしVYMとHDVは組み入れ銘柄の重複が多めなので、組み合わせる場合は上位銘柄の重複を確認し、同じような銘柄に偏りすぎていないかチェックするのがおすすめです。

Q3. 分配金利回りが一番高いのはどれですか?

2026年7月時点の調査ではSPYDが約4.5%と最も高く、HDVが約3.0%、VYMが約2.4%です。ただし利回りは株価と分配金で常に変動するため、購入前に必ず最新の数値を確認してください。

まとめ

SPYD・VYM・HDVは同じ「高配当ETF」でも設計思想がまったく違います。利回りのSPYD、分散とバランスのVYM、守りのHDV。自分が配当に何を求めるかを先に決めると、自然と答えが出るはずです。

米国株をこれから始める方は、米国株の始め方ロードマップで全体像から確認してみてください。

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※投資には元本割れ等のリスクがあります。手数料・サービス内容は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。口座開設はご自身の判断でお願いします。

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✍️ 筆者:ひざき|2019年から米国株をメインに投資。AI(Claude)と自作した自動売買の実績や本資産を毎週公開しています。→ 筆者について

あわせて読みたい:VYM vs SCHD どっちを選ぶ?高配当ETF徹底比較

📌 4本まとめて比べたい方はこちら:高配当ETF比較まとめ|VYM・SPYD・HDV・SCHDの違い(基本スペック表・配当シミュレーション・円建て投信版までまとめています)

免責事項

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・商品の購入や売却を推奨するものではありません。株式・ETFへの投資には価格変動リスクがあり、元本割れの可能性があります。本文中の経費率・分配金利回り・構成銘柄・分配頻度などの数値は2026年8月時点のもので、市況や商品性の変更によって変動します。最新の情報は、Vanguard・iShares(BlackRock)・State Street(SSGA)等の各運用会社および各証券会社の公式情報、ならびに金融庁・国税庁の公表資料でご確認ください。税制の取り扱い(外国税額控除・確定申告の有利不利など)はご自身の状況によって結論が変わります。個別の税務相談は税理士等の専門家にご相談ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

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