ベアマーケットとは?半導体株の急落から初心者向けに解説

相場ニュース解説

はじめに

先週末、「半導体株がベアマーケット入り」というニュースが流れました。「ベアマーケットって何?そんなに怖い話?」と思った投資初心者の方に向けた記事です。読み終える頃には、ベアマーケット(弱気相場)の意味、今回の半導体株の急落で何が起きたのか、そして私たち初心者がどう行動すればよいかがわかります。

先に結論です。ベアマーケットとは「直近の高値から20%以上下落した状態」のこと。そして今回ベアマーケット入りしたのは半導体株の指数(SOX指数)であって、米国株市場全体ではありません。S&P500(米国の主要500社をまとめた指数)は高値圏から少し下げた程度です。つまり、慌てて持ち株を全部売るような場面ではない、というのが私の考えです。

ベアマーケット(弱気相場)とは?

ベアマーケットとは、株価が直近の高値から20%以上下落した状態を指す相場用語です。ベア(熊)が爪を上から下へ振り下ろす姿から「下落相場」を、逆にブル(牛)が角を下から上へ突き上げる姿から「上昇相場(ブルマーケット)」を意味する、と言われています。

ここで大事なのは、下落には「段階」があることです。ニュースでは似た言葉がいくつも出てくるので、目安を整理しておきましょう。

用語 下落率の目安 ざっくりイメージ
押し目 数%程度 日常的な値動き。「買い場」と呼ぶ人も
調整局面(コレクション) 高値から10%以上 年1回程度は起こる健全な下落
ベアマーケット(弱気相場) 高値から20%以上 数年に一度レベルの本格的な下落
株価下落の3段階の図解。押し目は数%程度、調整局面は高値から10%以上、ベアマーケットは高値から20%以上の下落を指す

何が起きた?半導体指数SOXがベアマーケット入り

2026年7月17日(金)の米国市場は、NYダウが約0.7%安、S&P500が約1%安、ナスダックが約1.4%安でした。週間でもS&P500は1.5%超、ナスダックは約2.9%の下落です(いずれも2026年7月17日終値時点)。

その中で悪い意味で主役になったのが、SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数。米国の主要半導体企業をまとめた指数)です。SOX指数は今年3月から6月下旬までに約105%上昇し、6月下旬に14,655ポイントの高値をつけました。ところがそこから下落が続き、7月17日には約11,674ポイントと高値から20%超の下落=ベアマーケット入りとなりました。この1週間だけで約11%安と、2025年3月以来最悪の週だったと報じられています。

SOX指数の2026年3月から7月17日までの推移の模式図。3月から約105%上昇して6月下旬に14655の高値をつけた後、7月17日に約11674まで20%超下落した

きっかけとして報じられているのは主に2つです。1つは、中国のAIスタートアップMoonshotが発表した新しいAIモデル。同社は「OpenAIやAnthropicの最上位モデルに匹敵する性能」と主張しており、「高価な米国製チップに巨額投資を続けなくてもAIが作れるのでは?」という連想を呼びました。もう1つは、ハイパースケーラー(巨大クラウド企業)がAIインフラへの設備投資(capex)を減速させるのではという懸念です。半導体株はAI投資の恩恵を最も受けてきただけに、その前提が揺らぐと売られやすいわけです。

一方で強気側の見方も残っています。バンク・オブ・アメリカのアナリストは、世界のクラウド・AIインフラ投資は2027年に約1.5兆ドル規模(前年比+40〜50%)に達するとの見通しを示しています。悲観一色ではない、という点も覚えておきたいところです。

米国株全体はベアマーケットではない

ここは誤解しやすいポイントです。今回20%以上下落したのはあくまで半導体セクターの指数で、S&P500やNYダウは7月上旬に史上最高値圏にあり、そこから数%下げた程度にとどまっています(2026年7月17日時点)。市場全体で見れば、まだ「押し目」か「調整の入り口かもしれない」という段階です。

ただし、この1年の米国株の上昇はAI・半導体が主役でした。主役が2割下がると、相場全体の空気は一気に暗くなります。市場の恐怖心を数字で測る指標については、VIX(恐怖指数)とは?見方と目安を初心者向けに解説もあわせてどうぞ。

過去のベアマーケットから学べること

過去の米国株全体のベアマーケットを2つだけ挙げます。2020年のコロナショックでは、S&P500は約1ヶ月で30%超下落しましたが、その後数ヶ月で急回復しました。2022年のベアマーケットでは、底まで約9ヶ月かけてじわじわと約25%下落し、回復には1年以上かかりました。

共通点は「いつかは終わった」こと。そして相違点は「期間も深さもバラバラ」なことです。渦中にいると終わりは絶対に見えません。だからこそ、下落が来る前に「積立は続ける」「生活資金には手をつけない」といった自分ルールを決めておくことが、初心者には何よりの防御になると思います。

初心者はどうすればいい?ひざきの所感

  • インデックスの積立投資は淡々と続ける(下落時は同じ金額で多くの口数を買える)
  • 怖くなって全部売る「狼狽売り」をしない
  • 逆に「安くなったから」と一括で飛びつかない(落ちるナイフは掴まない)

偉そうに書きましたが、私の本資産も現在マイナスですし、AIと運用しているペーパートレードも2連敗中です。人に語れる立場ではないのでは…なんて思いますが笑。それでも「積立をやめない」だけは守っています。先週の急落を過ごした生々しい記録は【相場日記】半導体急落の一週間と「何もしない」選択に書きました。

これから米国株を始める方は、米国株の始め方 完全ロードマップから読んでいただくのがおすすめです。

よくある質問

Q1. ベアマーケットに入ったら株はすべて売るべきですか?

いいえ、必ずしもそうではありません。過去のベアマーケットはいずれも終わりを迎えており、下落中に売却すると損失を確定させ、回復局面を逃す可能性があります。ただし生活資金まで投資に回している場合はリスクの取りすぎなので、投資額自体の見直しは必要です。

Q2. ベアマーケットはどのくらい続きますか?

ケースバイケースです。2020年のコロナショックでは約1ヶ月で底を打ちましたが、2022年のベアマーケットでは底まで約9ヶ月かかりました。期間を正確に予測する方法はありません。

Q3. 今回は米国株全体がベアマーケットなのですか?

いいえ。2026年7月17日時点でベアマーケット入りしたのは半導体株のSOX指数です。S&P500やNYダウは7月上旬の史上最高値圏から数%の下落にとどまっています。

まとめ

ベアマーケットとは高値から20%以上の下落のこと。今回それに入ったのは半導体指数SOXであり、米国株全体ではありません。とはいえ相場の主役だったセクターの失速なので、市場全体に波及するのかどうかは注意して見ていきます。個人的には、積立は淡々と続けつつ、そろそろドカンと上げてもらいたいものです。

※あくまで個人の見解です。投資の判断はご自分の判断で行なってください。

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