この記事を書いた人|ひざき
米国株をメインに資産運用中。AIと一緒に自動売買システムを自作し、ペーパー口座での売買実績を毎週そのまま公開しています。自分の資産額も毎週公開中。専門家ではなく、いま実際に手を動かしている個人投資家の目線で書いています。→ プロフィール
はじめに
「AIで有名なスーパーマイクロ(SMCI)って、そもそも何の会社?」「2026年7月22日に株価が25%も急騰したけど、いったい何があったの?」——そんな疑問を持った米国株初心者の方に向けた記事です。この記事を読むと、(1)スーパーマイクロがどんな会社か、(2)なぜ急騰したのか、(3)強気材料と弱気材料の両方、が5分でわかります。
先に結論をお伝えします。急騰の主な理由は「決算の速報で利益率(粗利益率)が事前の予想を大きく上回ったこと」と「受注残高(注文の積み上がり)が過去最高になったこと」の2つです。ただし売上高は会社の予想の下限付近で、手放しで喜べる内容ばかりではありません。ここを順番に見ていきましょう。
スーパーマイクロ(SMCI)とは?何をしている会社か
スーパー・マイクロ・コンピューター(Super Micro Computer、ティッカー:SMCI)は、1993年にアメリカ・カリフォルニア州で創業したサーバーメーカーです。サーバー(インターネットやアプリのデータ処理を担う業務用の大型コンピューター)を中心に、AIシステム・ストレージ(記憶装置)・ネットワーク機器などをまとめて提供しています。
近年SMCIが注目される最大の理由は、AI向けサーバーの分野で存在感が大きいことです。ChatGPTのような生成AIを動かすには、GPU(画像処理などを高速でこなす半導体)を大量に積んだ強力なサーバーが必要になります。SMCIはNVIDIA(エヌビディア)の最新GPUにいち早く対応した製品を出すことで知られ、発熱するGPUを効率よく冷やす「液冷(液体で冷やす冷却技術)」に力を入れている点が強みです。省エネを重視する「グリーンコンピューティング」の考え方でも知られています。
ざっくり言うと、SMCIは「AIブームの土台になる“AI専用サーバー”を作って売っている会社」です。半導体そのものを作るNVIDIAとは違い、そのGPUを積んだ完成品のサーバーを組み立てて届ける役割、とイメージするとわかりやすいです。
なぜ株価は25%も急騰したのか(2026年7月22日)
2026年7月21日(米国時間)、SMCIは2026会計年度・第4四半期(4〜6月)の「暫定的な業績速報(プレビュー)」を発表しました。正式な決算発表は8月11日の予定ですが、この速報を受けて翌22日の株価は約25%も急騰しました。ポイントは主に次の3つです。
- 粗利益率が予想を大きく超えた:会社が事前に示していた粗利益率の見通しは8.2〜8.4%でしたが、速報値は15〜17%と、ほぼ倍の水準でした。顧客と製品の組み合わせが良かったためと説明されています。
- 受注残高が過去最高:第4四半期だけで600億ドルを超える新規受注があり、受注残高(まだ売上になっていない注文の積み上がり)が過去最高になりました。将来の売上の“予約”が積み上がっている状態です。
- ただし売上高は予想の下限付近:売上高は会社見通しの110億〜125億ドルのうち下限に近い水準。伸びは大きいものの、上振れではありません。
粗利益率(売上のうち原価を引いた利益の割合)は、薄利多売になりがちなサーバー業界では特に重要な指標です。ここが予想の倍近くになったことを市場が強く好感し、株価の急騰につながりました。ちなみに、これはあくまで“速報”で、正式な数字は8月11日に確定します。

実際の株価の値動きは、下のチャートで確認できます。
強気材料と弱気材料の両方を見る
よいニュースだけを見ると判断を誤ります。今のSMCIについて、私が整理した強気材料(ポジティブ)と弱気材料(リスク)を表にまとめました。
| 強気材料 | 弱気材料 |
|---|---|
| AI需要を背景に受注残高が過去最高 | 売上高は会社予想の下限付近で勢いに一服感 |
| 粗利益率が予想の約2倍に改善 | 数字はあくまで暫定速報。正式決算(8/11)で変わる可能性 |
| NVIDIA最新GPU対応と液冷技術で優位 | 2024〜2025年に会計問題・上場維持の懸念があった過去 |
| 生成AI・データセンター投資の追い風 | Dell・HPEなど大手競合も同じ市場を狙う |
初心者がつまずくポイントと、ひざきの所感
初心者が特に誤解しやすいのが、「速報」と「正式決算」の違いです。今回はあくまで暫定値で、正式な決算は8月11日。数字が確定すると株価がもう一度大きく動くことは珍しくありません。急騰した直後の高値をあわてて追いかけると、決算後の値動きで痛い思いをすることもあります。
私自身の本音を言うと、SMCIは物語としてはとても面白い銘柄です。AIブームのど真ん中にいて、受注残高600億ドル超という数字にはロマンがあります。ドカンと上げてくれたら気持ちいいだろうな、なんて思いますが笑、一方で過去に会計まわりで大きく揺れた経緯があり、値動きも非常に激しい。個人的には「初心者が最初の一歩で全力買いする銘柄ではない」というのが正直なところです。まずは事業内容と決算の見方を理解したうえで、少額から様子を見るくらいがちょうどいいと考えています。
なお、SMCIのような半導体・AI関連株は、相場全体の地合いに大きく左右されます。相場全体が下がる局面についてはベアマーケットとは?半導体株の急落から初心者向けに解説でまとめているので、あわせて読んでみてください。米国株そのものが初めての方は、米国株の始め方ロードマップから読むのがおすすめです。
よくある質問
Q1. スーパーマイクロ(SMCI)は何をしている会社ですか?
AI向けを中心としたサーバー(業務用の大型コンピューター)を設計・製造する米国企業です。NVIDIAのGPUに対応した製品や、発熱を抑える液冷技術に強みがあります。
Q2. なぜ2026年7月にSMCIの株価は急騰したのですか?
7月21日に発表した第4四半期の業績速報で、粗利益率が事前予想の8.2〜8.4%を大きく上回る15〜17%となり、受注残高も過去最高になったためです。翌22日に株価は約25%上昇しました。
Q3. 今からSMCI株を買っても大丈夫ですか?
投資判断はご自身で行う必要があります。急騰直後は値動きが荒くなりやすく、8月11日の正式決算で数字が確定する点にも注意が必要です。リスクを理解したうえで、無理のない金額で検討しましょう。
同じように株価が大きく動いた個別株では、EV用バッテリーのMVST(マイクロバスト)も取り上げています。あちらは急騰ではなく急落の側で、決算ひとつで株価がどこまで振れるのかという意味では、SMCIと対になる事例です。
まとめ
2026年7月のSMCI急騰は、「粗利益率が予想の約2倍」「受注残高が過去最高」という2つのポジティブサプライズが主因でした。AIサーバーの追い風を受ける魅力的な会社である一方、売上高は予想の下限付近、数字は暫定値、過去に会計問題があった、という弱気材料も抱えています。急騰のニュースだけで飛びつかず、強気材料と弱気材料の両方を見て、8月11日の正式決算も確認しながら、じっくり判断したいところですね。
✍️ 筆者:ひざき|2019年から米国株をメインに投資。AI(Claude)と自作した自動売買の実績や本資産を毎週公開しています。→ 筆者について
この記事のデータの出典
本文中の事業内容・業績・株価などの数値は、2026年8月時点で確認できた公開情報にもとづいています。企業の業績や見通しは決算のたびに変わるため、投資を検討する場合は必ず会社が自ら発表している一次情報でご確認ください。
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本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・商品の購入や売却を推奨するものではありません。株式・ETF・投資信託への投資には価格変動リスクがあり、元本割れの可能性があります。本文中の株価・利回り・業績・構成銘柄などの数値は執筆時点のもので、市況や商品性の変更によって変動します。最新の情報は、各運用会社・各企業のIR資料および各証券会社の公式情報、ならびに金融庁・国税庁の公表資料でご確認ください。税制の取り扱いはご自身の状況によって結論が変わるため、個別の税務相談は税理士等の専門家にご相談ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


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